住まいの選び方・買い方

セカンドライフからの物件購入の考え方

高齢になってからの住みかえは、「一生涯、安心して住み続ける物件を探す」こと。できるだけ希望に合った住まいにするべく、条件を固めることが大切です。
「資産に余裕がないと、満足な住みかえはできないのではないか」と考えてしまう方がいらっしゃいます。確かに、高齢になると収入が限られてきて、住宅ローンを組むのも難しくなります。貯蓄が多い方の方が、選択肢が多くなるのも事実です。

しかし、これまで住んでいた家を売却したり賃貸したりして、お金に変えることができます。賃貸住宅に住んでいる方は、「住みかえによって家賃負担がなくなる」というメリットもあります。住みかえは、「お金を使う」という側面だけではありません。資産に余裕がある方でなくても、希望に合った住みかえが実現できることもあります。条件をあまり限定せず、まずはご自身の希望を素直に出すことから始めてください。

住まいを選ぶ際のポイント

住まいを選ぶ際の、希望条件を固めるポイントとしは、以下のようなものがあります。

1.戸建てかマンションか

まず、戸建ての住宅にするか、マンションにするかという選択肢があります。最近では、老後を過ごすための住みかえ先にマンションを選ぶ方が増えています。
マンションには、

  • オートロックなどのセキュリティが優れている
  • 階段や段差がなく、バリアフリー化が進んでいる
  • 日常の清掃やメンテナンスを管理会社に委託しているため、自ら手間をかけて管理する必要がない

といった特徴を備えているものが多く、高齢者にとって住みやすいものになっています。
一方、戸建てを好まれる方も依然多く、マンションと比較して

  • 上下階や隣室の騒音などの心配がない
  • 管理費や修繕積立金、駐車場代といった毎月のランニングコストがかからない

という利点があります。
また、庭づくりのように、自分たちの好みに応じて形を変えやすいのも戸建ての良さと言えます。

2.新築か中古か

「前に誰も使ったことがない」新築物件は、それだけで満足感があり、最新の設備等、性能が充実しています。
ただし、新築物件は価格が高く、また、購入時に未完成であることもあります。その点、中古物件は値段が安く、購入時に、設備や間取りを確認することができます。また、住み慣れたエリア内で探す場合は、中古物件の方が物件数が豊富なため、条件に合った物件を探しやすくなります。
あえて中古物件を購入し、自分の生活スタイルに応じた間取りやバリアフリーを「中古購入+リフォーム」で実現する方も増えています。

3.中心部か郊外か

老後の住みかえの場合、「中心部に住みかえる」パターンと、「郊外に住みかえる」パターンが考えられます。
子どもが独立し、夫婦だけの生活になったことで、今の住居が広すぎるように感じることもあるでしょう。そうした場合、多少手狭になっても、中心部に近い物件に住みかえることを選択されるケースがあります。都市部であれば、交通の便もよく、買い物も便利で、病院等も近くにあることが多いです。
逆に、老後は都会の喧噪から離れて、郊外で暮らしたいというニーズもあります。自然が豊かで、また、地価が安く、広めの居住空間が得られるというメリットもあります。

4.家族との距離をどうするか

老後の住みかえの場合、子どもたちや親たちとの距離も重要な検討材料になります。
「病気になったときなどに備え、家族になるべく近くにいてほしい」「孫の近くに住みたい」といったニーズもあるでしょう。
家族との距離を近くする住みかえパターンとしては、大きく分けて

  1. 同居 : 家族と同居する(二世帯住宅含む)。
  2. 近居 : 家族の近くに住む

同居のほうが、家族とのコミュニケーションがとりやすく、病気などの場合に安心です。ただ、プライバシーの面で制約がありますし、「食事の時間などの生活のリズムが一致しない」「人間関係の問題によりストレスがたまる」といった問題の起こる可能性があります。
このようなことを考慮し、近居のパターンを選択する人が増えています。
普段の生活で干渉されることはなく、困った時やイベント時は、行き来しやすいので双方にメリットがあります。
最近では、「同一マンションの別の住居に住む」というパターンも増加しています。
二世帯住宅で同居するにしても、プライバシーが確保できる部屋を作り、一部の部屋を親子で共有する「部分共有型」にしたり、入口から完全に分離されている「完全分離型」にしたりするケースがあります。ただし、これらの方法をとる場合、広い敷地が必要で、また、建築コストも大きくなるのが一般的です。

5.予算

住みかえにかかる資金は、貯蓄だけでなく、持ち家の場合は今までの住まいの売却・活用による収入も充当することになります。
高齢になると収入が限られてくるので、生活資金として、ある程度の貯蓄も残したいところです。
定年後の生活資金がいくらぐらい必要かなど、老後のライフプラン全体を視野にいれて予算を検討することが大切です。
老後にかかるお金、定年後にもらえるお金について知っておきましょう。

「収入はいくら見込めるか」「さらに余裕を持つ場合にいくらぐらい上乗せするか」を考え、生活設計することが大切です。

いくらもらえるのかをしっかり把握することで、住まいをはじめとした、老後の生活スタイルが見えてきます。

現地見学時のチェックポイントは?

物件を購入する前に、現地を実際に見てみることが大切です。その際、以下の点に注意しておきましょう。

1.住まいのバリアフリー

今は元気であっても、年齢を重ねるごとに、どうしても体への負担は生じます。将来的に、手すりなどをとり付けたり、特殊なベッドを使うようになったり、車いすを使ったりするケースがないとも限りません。
通行スペースなど間取りに余裕があったほうが、そのようなケースにも対応しやすくなります。毎日を安全・快適に暮らせるようバリアフリーに配慮された住宅か確認しましょう。

2.周辺環境は歩いたときの感覚を大切に

「駅からの所要時間が、広告に記載されている時間よりも長く感じた」というのは、若い人にもよくあることです。駅や公共施設からの所要時間を、ご自身の足で確かめてみるのは重要なことです。
また、坂道の多さや傾斜、階段の多さなども確認しておきましょう。高台にある物件は、眺望がよいので人気がありますが、若い人にとってはあまり気にならない上り坂や階段も、高齢になるときつく感じるものです。
車や自転車の交通量なども、気を付けておくべきでしょう。「事故が多発する交差点が近くにある」「道幅が狭いところを、車が多く走行する」といったことも、リスクとして認識すべきと言えます。

3.周辺環境は高齢者が暮らしやすい街か見据える

病院や老人健康施設、デイサービス等の医療福祉サービスが利用しやすいかどうかは、物件選びの重要なポイントです。施設が近くにあるかだけでなく、高齢者向けの行政サービスについてもチェックしましょう。
また、スーパーマーケットのような商業施設が近くにあると、日常の買い物に遠出をしなくてよいというメリットがあります。
静かな環境を求めた住みかえの場合、公園や緑地の存在が重要なポイントになるでしょう。

必要な費用

諸経費の内容、目安は?住宅ローンはどのくらい借りられるの? 無理なくもれなくチェックしましょう!

不動産購入にかかる費用

物件価格以外に、税金や手数料などの
「諸経費」が必要となります。

 

物件価格の6%~9%程度かかりますので、
事前にしっかり計画を立てましょう。

諸経費の内訳

ご契約時

印紙代金 売買契約書に貼付する印紙代です。

借入れをする場合

印紙代金 ローン契約時に契約書に貼付する印紙代です。
ローンにかかる経費 ローンの実行時に、ローン事務手数料や、抵当権設定登記の登録免許税、ローン保証料が必要となります。
保険料 ローンの実行時に、借入れをする方は、万一に備えて、団体信用生命保険への加入が必要です。
※加入しない場合もあります。

引渡し時

仲介手数料 不動産会社に支払う報酬です。
登記費用 所有権移転登記・保存登記の登録免許税、司法書士報酬などがかかります。
修繕積立基金 新築マンション購入時に必要となります。物件により金額は異なります。※中古マンションの場合は不要です。
固定資産税 不動産を所有すると毎年かかる税金です。
都市計画税 不動産を所有すると毎年かかる税金です。

引渡し後

不動産取得税 不動産を取得後にかかる税金です。
その他 お引越し代、リフォーム代など。